ダイテック 中内です。

暫くこのブログもお休みをしていました。
どうも、東日本大震災の復興のことと云い、脱原発に表されるエネルギー政策と云い、税と福祉の一体化という消費税増税論議と云い、そしてこのTPPの問題と云い
私には巷で論争されている議論がなんだか理解できないのである。
もっぱら、国論を2分していると言われているこのTPPについて言えば・・
21品目全てについて関税を10年間で原則廃止する事らしいが、問題になっているのは農産品についてのみの感がする。
この農産品について私見だが・・
TPP賛成者の議論の根底にあるのは、”日本の農業技術は世界最高水準であるので安い海外農産品に負けない。つまりは、買って貰えるのだから関税を廃止しても大丈夫だ。”と云う議論らしい。
私的に言わせてもらうなら・・・そりゃ、世界のお金持ちは買ってくれるだろう・・でもこの日本に住む我々はどうなんだろう? 
と思う。いつも当ブログで言っている事だが、私の頭の中にはこの国日本はそのうち食糧問題すなわち食べれなくなる日が来るのではないかと云う恐れが何時もある。
5年ほど前に某総合商社の食料部長と会った時に、”小麦は世界市場で日本の消費量を確保するのが精いっぱいだ。価格は言っていられない。中国を始めとして新興国がドンドン買うので値がつり上がっているのだ。”と云う言葉を思い出す。
現に、あまり知られていないが・・大豆も今や日本が国際市場で買える大豆は2級品3級品になっている。かつては1級品を買えていたのにである。。
遺伝子組み換え大豆表示などは実はあまり信用できない。
円がなんとなくばば抜き状態で高い間は良いが、この国の借金の多さを考えると貿易収支が赤字になった時には円が暴落する事もあり得る。そうなれば輸入食料は高騰する。
そのような中で、TPPにより農産品を開放すれば、確かに日本の農業の技術力は高いので世界市場で勝てると思う。しかし、日本国内の日本産品は益々価格が上昇する事になりかねない。
技術革新を進めていかなければ勝てない訳だから当然価格は上がってくる。。
と、なれば日本国内で生きて行く以上、国産農品も輸入農品も値上がりする可能性は大きいのだ。
おそらくその頃には5%しかいない国内富裕層だけが国産農品を買って生活し、95%の一般大衆中間層と云うより、新貧困層は国産農品だけではなく輸入農品も買えない状況になるのではないのだろうか。。その頃は国家は破たん状態で新貧困層の為のセーフティネットなど無いに等しいだろうし、おそらく現在の個人金融資産は凍結かあるいは国債など紙切れに等しくなっているだろうし(この件については近いうちに投稿したいと思っている)、消費税は20%近くに上がっているだろうから、とても生活など成り立たないだろう。
”日本の農業技術は世界最高水準であるので安い海外農産品に負けないからTPP参加しても農業問題については没问题”と言うのはまったく理解できない。

しかし、私としてはこのTPPと言う問題をこの日本の仕組みを変えるCHANCEとして捉えたい。
いつも申し上げるように歴史的に見て、この日本という国は。。そして我々日本人というのは答えを考え出せる国や国民ではなく、答えを探す国であり、国民なのだ。。
で、あるから内部から変革は出来ない。今までもそうであったように今もこれからも外からの力、つまりは外圧言い換えれば黒船が来て浦が沖で艦砲射撃をしないと変われないのだ。

TPPに参加すれば農業問題だけではなく、工業製品は当然として国民皆保険や投資おそらく年金の仕組みまで考え直さなければならなくなるのだろう。。。
詳細の議論は後に譲るとして、、年金の問題だけを捉えても
どうも、今は年金という仕組みを出来た当時の理念と変わっていると感じる。
もともと、平均寿命より長生きの寿お年寄りに対して生活の補助とお祝いの意味も兼ねてみんなで講や無尽のように積み立てようという理念で始まった物ではないだろうか・・
それが、今は若い間に積み立てた国家貯金のような感がする。だから、かけた金額分は返してもらわないと・・と言う発想になる。まぁ言わば郵貯みたいなものだ。更に結構なことだが平均寿命が期待値をはるかに上回って延びてしまった。だから元気な年寄りでも年金を貯金取り崩しの感覚で受け取ることになって、掛け金より多い受取額になる。ひどいときには掛け金の倍以上帰ってくるのだ。考えてみればこの低金利の時代にこんな良い投資はない。
年金を払うのを嫌がる人がいるが(私もその一人だが・・)最初の理念のように100歳以上のお年寄りのために
寿の感覚で年金を支給するのであれば今払うことにも違和感はそう無い。
役所に行くと”助け合いですから・・”と決まり文句のように言う馬鹿役人が居るが、今受け取っている年寄りの貯金崩しの感覚であれば助け合いは論旨に合わない。
つまりは、助けなくても良い年寄りまで助けているということだ。
こんなこと続くはずも無い。  でも、かけてきた人が殆どだからやめられない。

この際、TPPに参加して、Global Standardで、否応無くやめると云う選択も有りなのかもしれない。
年金問題に限らず、他の仕組みや霞ヶ関のCommonSenseを潰して造りかえる機会に出来ればこの国の未来が見えるのではないのだろうかと思う。
但し、そのためには霞ヶ関だけが交渉担当では変えることは出来ないし、かと言って現在の政府にそのリーダーシップを期待することも出来そうに無い。
やはり、国家の意思・・われわれ国民一人ひとりが”変えるのだ””変わらなければこの国に未来は無い”と云う危機感を持って考えていく意思なのだろうと思う。