ダイテック 中内です。

8日から第18回中国共産党大会が開催されました。
初日は、冒頭に胡錦濤代表が”中国的社会主義路線の堅持と小康社会の創設”を第18回大会の主題に掲げることを宣言することから始まり、会場は異常な興奮と熱気に包まれ”偉大で栄ある中国共産党万歳!”が何度も叫ばれたようです。
その後、5年前に策定された先5年と先10年の目標について
特色ある社会主義堅持や小康社会の建設と解放の深化、更には経済発展や富国強国、科学の進化など12項目にわたり報告がなされ、概ねこの5年間に各方面に成功を収めたが、まだ道半ばであるが
問題や困難はそう多くないことが報告されました。
特に中国独自の社会主義が新段階に入ったことと小康社会の創設については更に注力し、民族の壁を超えて
改革開放を進め2020年までに公平な社会、小康社会を創ることが宣言されました。
更に国土の開発、資源の確保、自然との協調、強い文明制度の創設の4項目が強調され、そのためにも
軍の強力化と現代化、軍の変革により強い国防によって平和を守り、台湾の分裂陰謀には断固反対する態度をもちつつ富んだ国を目指し人民に公平な小康社会の実現を行うことが宣言されました。
面白いと思いませんか・・前任者が新体制の目標や課題を提示するのです。 
最終日には、皆さんの興味のある新体制の人事が発表されました。
習近平氏をはじめ、殆どが上海閥の人たちでした。
江沢民氏の意向がかなり反映された物と思います。
ただ、常務委員会の人数が7人に減少したことには違和感を感じます。
中国人民に対するパフォーマンスと云う意味だけではないでしょう。
なぜならば、中国の政治統治は人脈とそれに繋がる権力構造、集金力こそが統治の基本なのですから、
権力者の人数が減少するということは、統治力が落ちるということに他ならないと思うからです。
特に今回の人事を見ますと、上海閥の復権が見て取れるので、本来権力による統治を政治手法とする人たちからすると不思議な気がします。
おそらく、胡錦濤氏に近い共産党青年部との駆け引きがあったのではないかと思います。
その証拠と云ってはなんですが・・人民解放軍中央軍事委員会の人事が興味深い物があります。
11月4日に9人で構成される軍事委員会の内、いわゆる制服組(軍人)のトップの人事異動があり、人民解放軍陸軍済南軍区司令官范氏と人民解放軍空軍司令官許氏が選出されています。
本来、軍事委員会に前書記長である胡錦濤氏は軍事委員会主席として留任するのが本来なのでしょうが、今回は潔く退任し自分の息のかかった軍人を配置しています。
つまりは、国家政治では上海閥、軍部は共産党青年部が影響力を持つと云う構造になったような気がします。
いずれにせよ、来年の3月の全人代で習氏が国家主席として選出されるまで暫く駆け引きは続くような気配です。
習氏は対日についてどのような考えを持っているのかは判りかねますが、先のブログでも申し上げたように
このことによって対日の現状が緩和することは日本側から解決策を提示する以外に全くありえないと思います。
おそらく、習氏は日本など眼中には無いような気がします。天皇陛下にスケデュール外の面会について小沢某と云う節操の無い政治家が宮内庁と問題を起こしたことは記憶に新しいですが、その折も総理大臣と会談した記憶はありません。もっとも会談があったにしろ民主党政権では何も約束も出来ないし、習氏にとっても意味は無いですが・・しかし、訪米は数度しています。しかも、大統領との面会、国務長官、更には国防長官とも面会を行っていることを見ますと、
彼には対米外交を重視していく考えはあっても、日本に対する目は残念ながら無いのだと思います。恐らく、日本をアジア周辺国の一つ程度にしか考えていないのではないだろうかと思います。
いよいよ、ソビエト崩壊以後、初めて、大国(米・中・露)による世界秩序の構築が始まろうとしているような気がします。その中で日本と云うこの世界観の無い国はどこへ流れていくのでしょう。。。。