ダイテック 中内です。
前回のブログで、”この日本のエネルギー政策は、世界の流れと逆行していてどうかしている”と書いたのですが、経産省が夏にもまとめられる2050年に向けた第5次エネルギー政策で再生可能エネルギーが主力電源としての位置づけをされることが決まりました。
原子力発電は、同様に主力電源としての位置づけはかわらないものの、電源構成の原子力発電の比率を示すことはなく、潮目は変わったように見えます。
再エネは高いものだという感覚から、再エネを導入していかなければこの国は世界の中で取り残されていくのだと感覚をやっと少しづつですが取り入れ始めたのではないかと思います。
高いから導入しない、出来ないではなく、もはや温暖化に対応するためには、再エネを導入しなければならないと云うことです。
実際には、太陽光は野点の場合で4円/KWくらいですし、昨年のUAEでの入札では2円/KW代の価格にまで下がっています。風力のコストも、5円/KWから9円/KW代にまで下がっています。
一方、これからは有っても使えない座礁資産である化石燃料による発電では最も安いと言われてきた石炭による発電でさえ6円~10円、天然ガスになると15円/KW~20円 ですので、太陽光や風力による発電の価格優位性が出てきています。
更に重要なことは、太陽光パネルや風力発電機はまだまだ技術開発の余地があり、それが進むと更に安く発電できる可能性があるということと、償却が終わってしまえば、燃料コストは太陽の光と風なので全くゼロ、つまりは限界費用が0であると云うことです。しかも無尽蔵です。
ただ、一方では今の日本の政策では、最エネが増えると我々が支払っている賦課金が増額することになります。
ただでさえ、国際的に見て高いと言われている日本の電力価格は更に高くなるのでしょう。
FIT(固定価格買取制度)によって最エネを推し進めようと云うのは良いのですが、それが前提になってしまうと、ドイツのように最エネは進んでいるが電力料金は高いということになりかねません。
また、電力網の中で需給の調整弁を果たすのは何になるのでしょう。
私自身は、この点についてはやはり発電量を調整できる原子力発電は多少必要なのではないかと思っています。
数年前には、原子力もCO2を出さない電源なので固定価格買取制度に入れようと云う動きがあったようです。(確か当時は17円/KWだったように記憶していますが・・)
島国で、海外に余った電力を売ることの出来ない日本では、調整弁はどうしてもそれなりには必要になってくるのでしょう。
そういう意味では今回の原子力発電の比率は明記しないと云う方針の経産省の第5次エネルギー政策は片手落ちだと感じます。調整弁はどうするつもりなのでしょう。

そうは言ってはいても、価格の問題にとどまらず、何度も申し上げているように、もはや、世界の流れはRE100 に名を連ねる企業を見てもわかるように化石燃料を使う企業や国は生き残っていけないということは事実です。
あとは、系統連繋のコストをいかに早く下げられるか。つまりは実際には稼働率3割りそこそこしか使われていない送電線網を電力会社の云うように、”現在の設備認定取得済み案件が全て可動したら・・原発の再稼働があったら・・その時のために送電線網を空けている”と云うコントラクトベースでの送電線契約ではなく、実際に今流れている電力のフローでの契約方法にいかに早く変えられるかが鍵だと思います。
ここが、高止まりあるいは高くなっていく電力料金を下げうる一つの答えではないでしょうか。
今後の送電線網の改革に期待したいと思います。